2008年12月02日(火曜日)


11/27 の【国語】で、僕が校閲の指摘のとおりに修正することに対して、「もっと自分の思いどおりに主張を通してほしい」というメールを沢山いただいた。まあ、応援なのかな(笑)。小説の仕事に関して、僕はほとんど出版社の指摘のとおりに直している。思いっ切り普通にしようと隠しても醸し出されるのが個性だし、また、無理に出そうとしたり、形だけを真似ても、けっして香らないのが個性なのだ。何故か? それは内部から染み出るものだからだ。表現だけのもの、すなわち表に現れるものだけに囚われているからだ。

via: MORI LOG ACADEMY: 愉快なドイツ人


コンピュータによる計算は、ときとして不思議な結果を出してくる。これはGAに限ったことではないけれど、たとえば、無駄な部分と必要な部分で重要さを評価する。あまり重要でないところは削り、重要なところは補強する。このような操作を繰り返すうちに、だんだん形を変える。これが、生物の進化に似ている。力学的な理屈によって作られた構造にそっくりの形が、まったくその理屈を使わないのに、コンピュータの膨大な計算で弾き出されることがある。そういう結果を見せられると、非常に不思議な気持ちになり、自然淘汰というのか、神の選択というのか、万物はなるべくして今のそれに至ったのではと感じ、また、それを導いた不思議な「力」あるいは「思考」をイメージしてしまうのだ。 さらに計算をすれば、今以上に進化した未来の形も見えてくる。コンピュータによる数値計算の結果が、自然の観察から養われた人間の感覚を超越した洗練を見せてくれるときもある。だからこれからは、コンピュータの中の未来に注目し、よく観察して、新しい感覚を身につける必要があるだろう。

via: MORI LOG ACADEMY: 遺伝的アルゴリズム