2008年09月26日(金曜日)


自分で文章を書いて、それがどう受け止められたのか、というデータを、僕は一般の人の 1000 倍は持っているだろう。そもそも学生を指導しているときから多かったし、作家になって激増した。特にネットのおかげで、飛躍的にデータ採取が早く、そして広くなった。どう書けば、どう受け取られるのか、ということがだいたいわかってくる。そして、残念だけれど、大まかにいえることは、「どう書いても、読み手の大部分は自分の都合の良い方へ解釈する」ということである。書かれている内容を客観的に捉え、自分のデータとして素直に吸収できる人は少ない。僕はよく「誤解も理解も同値」と言ってきたのだけれど、書いたことがそのまま伝わることなんてほとんどないわけで、書いた者の力量や受け手の力量ももちろんあるけれど、基本的に人間同士のコミュニケーションとはそういうもの、「理解」とは元来不完全なものである、ということ。

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