2008年08月01日(金曜日)
建築の構造は3種類あって、鉄骨造とRC(鉄筋コンクリート)造と木造である。それぞれにどんな特徴があるのかは、2005 年の 11/23 の【理科】で書いたが、もうすっかり忘れてしまったことだろう。 たとえば、ミステリィなどには、建物の平面図(部屋の配置図のこと)が掲載されているものがあるが、こういった建築の図面を見たときに、最初に考えるのは、「この建物は何構造だろうか?」である。実物の構造物を自分の目で見た場合には、すぐにそれがわかる。ごく稀に、外見だけはわからないものがあるが、室内に入ればわかる。これは、たとえば、人間でいえば、性別くらい重要なポイントなので、まずそれを把握するわけだ。ところが、小説に登場する建物は、この何構造かが書いてないことが多い。もちろん、男女どちらかわからない人物だって登場するわけだから、必ず明らかにしなければならない情報ではないけれど、どうも読んでいて「把握」できないと落ち着かない。 平面図があれば、だいたいは区別できる。また、その建物が実際に存在するものか、あるいは、建築に関して素人の人が考えたものか、も平面図をみれば一目瞭然である。 たとえば、1階と2階の柱が通っていない(同じ位置にない)とか、階段の途中で頭を打つような位置に2階の床があるとか、1階に暖炉があるのに2階には煙突を通すスペースがないとか、は架空の建物の特徴といって良い。石造りの古風な建物で、アーチのドームや屋根がかかっているとあれば、両側の壁に、横荷重を支える機構が必要になるが、これがないとか。もっと細かいところでは、ドアを開けたら、ドアどうしがぶつかるとか、三角屋根の家の屋根裏部屋の窓が外壁の位置にあるとか、さらに細かいところでは、鬼門(北東)に出入口や下水道関係の設備があるとか(これは非科学的だが、日本ではほとんど避けて作られる)。 図面に方角が描かれていないものも多い。文章中にも方角がないのだ。方角がないって、太陽がない国みたいな感じに思える。逆に、図面に方角があっても、建物がそれに合っていない場合も散見される。「え、もしかして、南半球?」といった疑問を抱いてしまうのだけれど、最後まで読んでも、そんなオチがなかったりする。