2007年12月07日(金曜日)


前回、解けない問題について書いたが、本当はもっと大きな問題がある。それは、目の前にある問題が、算数なのか、理科なのか、あるいは社会なのか、国語なのか、それとももしかして図工なのか、ということの見極めだ。 これは算数の論理で取り組むものだ、これは理科の理屈で解き明かすものだ、いや、これは社会の知識を当てはめて考えるべきものだ、というように、子供たちに与えられる問題は、最初からジャンルがはっきりと決まっている。ところが、現実はそういった問題ばかりではない。問題を解決しなければいけない、というときに、技術的なアプローチもあれば、もっと人間関係的なアプローチもある。さまざまな可能性があるのだ。どれだけ視野を広く持てるか、ということはとても大事な姿勢といえる。 理科では、物理、化学、生物、地学とジャンルに分けず、それらを組み合わせた科目は実際にあるが、かなり無理のある問題設定で、わざとらしく個々のジャンルを平均的に組み合わせてあるだけだったりする。そんな無理をせず、まず第一歩として、すべてのジャンルを一度に同じ問題用紙で出題すれば良いのではないか。問題を読んで、「あ、社会か」と判断するだけでも、1つのステップを上がらせたことになる。頭の切り換えが必要になるし、思考の柔軟さが養われるだろう。 教科が分かれているのは、実は、教育する側の事情なのである。専門家も分かれているし、教科書を作るのも大変だ。採点の問題もある。教える側の能力が不足しているから、クロスオーバな問題が提供できないだけだ。ここは反省すべきだと思う。 少なくとも、他のジャンルとの関連を常に意識させ、あるいは深く連想させるよう指導する姿勢が大切である。

via: MORI LOG ACADEMY: どんな問題なのか、それが問題だ