2007年10月20日(土曜日)
繰り返し書いていることだが、日本のブックデザインの元凶は、オビである。オビなんかやめたら良いのにと僕は思う。少なくとも、僕はオビをすぐにゴミ箱に捨てる。本を開くときに邪魔だし、書いてあることは余分な情報ばかりだし、表紙が見えないし、良いことが一つもない。自分の本でも、可能ならばオビはなくしたい。編集者にもそう言い続けてきたが、願いは滅多に叶わない。オビがないと「売れない」と彼らは恐れているのだ。 僕は文庫を買うことが多い。新刊を買うようなことはまずないので、オビがない本がほとんど。すると、カバーの下が間抜けにスペースがあいている馬鹿なカバーデザインの本が多数だ。デザイナはきっとこのジレンマに苦しんでいるだろう。編集者は、文字しか目に入らない活字人間だから、あまり気にしていない。営業の人はオビの「フェア」の文句しか見ていないし、オビで本が売れると信じている。もし、オビで本が売れているのが本当なら、「作者は怒れよ」と思う。 まあ、嫌なら外せば良いものだから、我慢している。けれど、オビのために余分に費用と労力がかかるし、カバーデザインが駄目になるのは、本当に気持ちが悪い。しかし、本は読者のものだから、読者がこれで良いというなら、しかたがないかと思う。これ以上主張しない。 だいたい、タイトルの文字で、イラストが部分的に隠れて見えなくなることが、僕はもう嫌だ。