2007年09月30日(日曜日)


9/22 に書いた「住宅の選び方」に関して、メールを多数いただいた。この種の反響があるのは、わりと年輩の層もこのMLAを見ている証拠だろうか。 多かった質問の1つは、「防犯や災害を考えるべきだ」と書かれていたが、具体的にどう考えるのか、というもの。 まず、防犯。たとえば、泥棒に入られやすい条件かどうか、である。外の道は人が立っていたら目立つ場所か。家の窓は外からどれくらい見えるか。照明が灯っていることが見えるか。塀の中が見えるか。隠れる場所、逃げやすい場所か。火をつけられやすいような場所か。自分が犯罪者になったつもりで考えてみよう。裕福そうな家が狙われるのではない。泥棒は入りやすい家を狙うのだ。 災害については、まず地震。その土地は、地質的にどうか。たとえば、洪積層ならば、かなり安全といえる。削られた土地か、盛られた土地かも、地震時に差がある。一般に山手の方が地震には強い。しかし、山の麓は土砂崩れの危険がある。平野は水害の可能性がある。川のそばの風光明媚な場所は、昔は大雨のとき水が溜まるバッファだったところが多い。 次に多かったのは、死ぬまで住むつもりで買いたい、いったい住宅の寿命はどれくらいなのか、との質問である。これは、その人の年齢による(笑)。しかし、一般に木造だったら 30 年くらいが限界だろう。それ以前にも、方々が傷んでくる。10 年もすれば、簡単な修復が必要になるし、20 年もすれば大掛かりな補修工事もしなければならない。長く住むことは可能だが、それなりに金をかけてメンテナンスが必要だ。木造の方が痛みは早いが、修理や改築はしやすい。しかし、もちろん、もともとのグレードによるし、お金のかけ方もピンキリである。 死ぬまで住むと考えている人が多いようだが、自分一人になって、歩くことも、車の運転も覚束ない年齢になっても、人間は生きている場合が多い。そうなっても、その場所に住めるかどうか考えて、はじめて、「一生住む」といえるのではないか。

via: MORI LOG ACADEMY: 住宅の選び方2