2007年09月18日(火曜日)


それにしても、だんだんサイクルが早くなっているものが多い、と感じる。小売店などは、かつては何代も続く店が多かったけれど、最近では滅多にない。一代も続かないものがほとんどだ。メーカもそうだし、また大企業でも例外ではない。「加速している」というほどではないにしても、じわじわとスピードを上げている感じはたしかにする。どこかで落ち着くのだろうか。 しかし、ずっと続いている商売もある。僕が通う店にも、何代も続いているところが幾つかあって、どうしてそんなことが可能なのか、と不思議に感じるのだが、共通するのは、比類のない技術力、これに尽きる。オリジナリティとか、ブランドとか、サービスとか、地の利とか、そういったものではない。やはり、最後には、他では真似ができないもの、ということだろう。 ただそれでも、将来のことはわからない。どんな技術にも限界があり、それを凌駕する別ものが現れるからだ。社会全体を眺めていると、そういったことはまず見えない。なにかに特化した非常に特殊な分野に注目してはじめて見えてくる。なるほど社会全体はこういったものの集積なのだな、と想像できるだけだ。まるで、ほんの僅かな空気の流れを感知して、飛行機の速度を測っているようなメカニズムといえる。

via: MORI LOG ACADEMY: 社会のスピード