2007年08月07日(火曜日)
円周上に2点を決め、これをA、Bとする。すると、長い方の孤AB上のどこに点Cを取っても、角度ACBは同じ大きさであり、この大きさは、円の中心Oと作る角度AOBの半分になる。特別な例として、AOBが直線(つまり直径)のときには、角度ACBは直角になる。この法則は有名。 さて、団扇(うちわ)の(取っ手を除いた部分の)形が円だとすると、団扇の骨(直線)は、だいたい円周の一点に集結している。この集まっている部分で、骨と骨の間の角度が等しいとすると、その先、つまり団扇の外周で、骨と骨の間に作られる孤の長さはどれも等しくなる。逆にいえば、骨で区切られた孤の長さが等しくない場合には、骨どおしの角度が異なる、といえる。 扇子(せんす)の場合には、形が文字通り扇形なので、骨は円の中心に集まり、骨と骨の角度とそれぞれが作る孤の長さは等しい。というか、折り畳まれているわけだから、細い同形の扇形が重なっている。 団扇に構造が似ているものに、熊手(くまで)がある。爪(指?)となる複数の骨の途中に横棒があって、それが骨どうしの間隔を決めている。金属製のものでは、この部分をスライドさせて、広げたり狭めたりできる。構造をよく見て、幾何学的な特徴を見ると面白い。 子供の頃、折り畳み傘の骨組みをじっと観察して、スケッチしたことがあった。レオナルド・ダ・ヴィンチが、動物の骨組みのスケッチを描いたときも、同じようにうきうきしただろう。