2007年01月23日(火曜日)


赤い細胞は、1時間に1度の割合で分裂をする。分裂をすると3つの細胞に分かれ、そのうち2つは赤い細胞に、1つは白い細胞になる。つまり、1時間で個数は3倍になる。さらに1時間後に赤い細胞はまた分裂をするが、白い細胞はそのままで分裂しない。さて、最初に赤い細胞が1つだけあった。10 時間後には、赤い細胞と白い細胞はいくつずつ存在するだろうか? この問題を読んで、普通の人がイメージするのは、赤い細胞の方が白い細胞よりもきっと多くなるだろう、というぼんやりとした状況だろう。何故なら、3つに分裂したとき、2つは赤だから、白の2倍になるはず。この予測は正しいだろうか? こういった問題で、せめて3時間後、あるいは4時間後くらいまでは、紙に書かないで計算するくらいには頭を使った方が良い。 ちょっと考えればすぐにわかるが、赤い細胞は白い細胞よりも常に1つだけ多い、というのが答だ。差は1つのままである。それは、最初に赤い細胞が1つあったときから変わらない。したがって、最初に白い細胞も1つあれば、両者は常に同量存在することになる。 どうして、こんなことになるのか、不思議だな、と思う人が見過ごしているものは何だろう? それは、赤い細胞が赤赤白の3つに分裂するとは、自分自身を除けば、赤1つと白1つを新しく生み出しているに過ぎない、という点である。 もし、最初に赤と白が1つずつあれば、1時間後には赤から赤が1つと白が1つ新しく生まれ、合計すると、赤2つと白2つになる。2時間後には、2つの赤が分裂し、赤が4つ、白も4つになる。どちらも1時間ごとに数が倍になるだけで、常に同数である。

via: MORI LOG ACADEMY: 細胞分裂