2007年01月21日(日曜日)


本当の価値とは、人に訴えかけるような輝きはないのに、その近くに立つと、温度のように伝わってくる。写真やTVでは伝わらないかもしれない。ぎらぎら光ったものばかりに目を奪われていると、けして出会えない。 天才と言われる人間もこれと同じである。知り合いに何人か天才と呼べる人たちがいる。そういう人たちは皆、輝くようなものはない。たとえば、5桁どうしの乗算が一瞬でできる、といった「わかりやすい才能」は、5年に1度くらい学生の中にいる程度の頭脳である。天才は、自分からはけっして主張しない。自分がどれくらい凄いのか、という様子は微塵も見せない。しかし、近くにいて、数分話すだけで、言葉のほんの1つの選択に、背筋がぞっとするような鋭利さ(あるいは異方性)を感じるのである。それは、マスコミの取材なんかでわかるものではない。「こんな天才を見たい」と勝手に思い描いている人たちには、けっして見抜けないものだ。

via: MORI LOG ACADEMY: セレブと天才