2007年01月19日(金曜日)
意外や意外。最近のMLAの中で一番のヒットは、円錐と球の体積を足すと円柱になる、という 12/27 の【算数】だった。こんなものに反響があるとは思わなかった。何に応用できるか考えてみたが、桃缶に入っている桃(半球)と蜜の比率が説明しやすくなる、くらいしか思いつかなかった。もっと蜜を減らしても良い、と個人的には思うが。 ところで、円錐を2つ上下逆向きに繋いだ形、つまり砂時計のガラス容器みたいな立体を想像してほしい。いずれの円錐も底面積は同じだ。円錐の体積は底面積 × 高さ/3 なので、2つの体積の和は、つまり2つを積み重ねた高さの円錐の体積と等しい。ということは、この砂時計は、ちょうど真ん中にくびれがあるものも、くびれが上下にずれているものも、体積は同じである。ただし、中央にくびれがないものは、大きい側で砂を一杯にすると、全部落ちなくなるが。 砂時計は流れ落ちるものが固体粒子であるけれど、これが液体の場合には、流れる速度は、くびれのサイズと、上の容器の液体の深さ(圧力)によってだいたい決まる。前者は変化しないので、流れ落ちる速度は、最初は速く、しだいにゆっくりになる。つまり一定ではない。固体粒子の場合は、条件によって非常に複雑になる。【理科】になってしまうので、ここでは深く言及しないが、摩擦が支配的になり、圧力が高いと逆に流れにくくもなる(実は僕の専門だが)。 1つだけいえることは、ある一定の時間を計って、(全部が流れ落ちるまえに)途中で砂時計をひっくり返しても、同じ時間で、それが戻るとは限らない、ということ。初めの半分と残りの半分が落ちる時間が異なる場合がある。 ちょうど真ん中にくびれがある砂時計の円錐1つ(高さ r)の体積は、πr3/3 である。これは、高さが同じ球(半径 r/2)2 個分の体積である。 もちろん、砂が通るだけの径の大きさが必要であるし、砂時計の容器は正確な円錐ではない。僕が見た記憶では、円錐よりも(容器の体積が大きくなる方向へ)膨らんだ形状のものが多いようだ。