2006年11月27日(月曜日)


因数という言葉は、あまり聞き慣れないかもしれない。「数学がわからなくなったのは、因数分解からだ」といった話はよく耳にする。その因数だが、いったい何かと問われたとき、ちゃんと答えられる人は少ない。 辞書を引いてみよう。「1つの数または式がいくつかの数または式の積によって形成されている場合、その個々の数または式」とあった。このように、「○ または ×」のような表現は、数学的というか、論理的というか、法律的というか、とにかく一般の人にはわかりにくい。「君もしくは君のメンバが捉えられ、あるいは殺されても」みたいな言い回しである。 ある式 f(x)に、x=a を代入したところ、その式の値が0になった。このとき、f(x)は(x-a)で割り切れる。これを因数定理と呼ぶ。こうして割り切れる式を探す行為が因数分解である。 ちなみに、ある整数の約数である素数を素因数と呼び、その整数を素数の積で表すことを素因数分解という。 因数分解の難しさは、式と式を掛け合わす行為の逆だからだ。計算をすることは簡単だが、計算結果から、もとの形を想像することはけっこう難しい。思考のジャンプが要求される。これは、計算に限ったことではない。この状況からどんな結果になるのか、は想像が簡単だが、逆に結果を見て、そうなった理由を思い浮かべることは難しい。

via: MORI LOG ACADEMY: 因数分解