2006年11月11日(土曜日)
有名な問題。 死んだ父親が 3 人の息子に遺したのは、11 頭のロバと次のような遺言だけだった。「1/2 は長男に、1/4 は次男に、1/6 は三男に」と。3 人は頭を捻るが、どうしてもロバを殺さなければならない。どうしたものかと困っていたところへ、1頭のロバをつれた賢者が現れた。3 人は、彼に相談をすることにした。 賢者は、話を聞くと、こう答えた。「私のロバを差し上げよう。すると 12 頭になる。これで分配できよう」と。3 人は喜んで計算をし、12 頭の 1/2 の 6 頭を長男が、1/4 の 3 頭を次男が、1/6 の 2 頭を三男が手にした。すると、6 + 3 + 2 = 11 頭であるため、1頭が余ってしまう。そこで、その1頭をお礼に賢者に返すことにした。賢者は、黙って微笑み、去っていったという。 1/2 + 1/4 + 1/6 = 6/12 + 3/12 + 2/12 = 11/12 であり、もともと、3 人の取り分を合わせても1にならない。父の遺言どおりに 11 頭を分けると、長男は、11×1/2 = 5.5 頭、次男は 11×1/4 = 2.75 頭、三男は 11×1/6 = 1.833 頭となり、11×1/12 = 0.917 頭が余る。賢者の提案で、3 人ともが得をしたことになるが、これは、父が指定しなかった遺言の残りの 1/12 を、3 人が、6:3:2 で分配した結果である。比率だけは遺言どおりだが、3 人とも、遺言を守らなかったことは確かだ。