2006年10月20日(金曜日)


有名なモデルである。 ある事件で共犯の疑いがある2人の被疑者が、軽い別件の容疑で逮捕された。お互いに会って話はできない状況で、もし、両方ともが黙秘を続ければ、軽い1年の刑で済む。しかし、片方が自供すれば、自供した1人は(司法取引で)無罪となり、もう1人は 10 年の刑となる。もし、両方が自供すれば、ともに5年の刑となる。 この条件で、どちらの被疑者も考える。相手が黙っているとき、自分は自供で無罪、黙秘で1年。相手がしゃべったときは、自分は自供で5年、黙秘で 10 年である。となると、相手がどうするかにかかわらず、いずれも自分は自供した方が有利になる。したがって、黙秘を続ける理由がない。 これを2人ともが考えて、両方が自供し、結局5年の刑となる。個人的に有利な道を選んだにもかかわらず、2人としては、必ずしも最適の選択ではなかった(2人とも黙っていれば1年の刑で済んだのだ)。 個人個人が、自分にとって最適な道を選ぶことが、結果的に、集団としての不利益となり、ひいては、個人の不利益にもなる。店が値引き合戦をしたり、国が軍備を増強するのも、このジレンマである。 【社会】じゃないのか、と思ったが、あえて【算数】で。

via: MORI LOG ACADEMY: 囚人のジレンマ