2006年10月16日(月曜日)


近頃の僕は、もうなにかに専念する、ということがない。これが嬉しい。研究にも、小説にも、工作にも、専念していない。どれかに専念したい、とも思わない。好きなときに、好きなことができるのが一番良い。自分に向いている、と思う。 会議ばかりに明け暮れる生活をしているときに考えたことだが、だらだらとした会議が嫌いで、もっと効率良く合理的に仕事を片づけたいと思っている人は、誰と誰と誰、とだいたい見ていてわかるものである。そして、そういう人は、そのうちいなくなる。どこかへ行ってしまう。ほかの職場、職種へ移るか、それとも仕事をすっかりやめてしまうか。「なるほど、やっぱりなあ」と感じる。つまり、人間は必ず自分が信じる効率化する方向へ進む。同じところに踏みとどまり、変化しないのは、現状に満足し、変わりたいと思っていないからだ。 大きな組織、あるいは伝統のある組織では、合理化を訴える個人の主張はなかなか通らない。思うように効率化されない。すると、そういった意欲のある人間は去っていく。そうでない人たちばかりが残るから、どんどん、そのままが続く、というメカニズムなのだ。そうはいっても、それが悪いわけでもない。守りたいものもあるだろう。それに、ほんの少しずつでも前進はするので、最悪でもない。ただ、自分の人生の時間と比較して、とてもつき合っていられない、というだけのことだ。

via: MORI LOG ACADEMY: 月曜大工


人間の髪の毛は、だいたい 10 万本あるそうだ。子供のときにその数字を聞いて以来、ついつい 10 万という数字を髪の毛でイメージしてしまう。たとえば、人口 50 万人の都市というと、「5人分の髪の毛か」と想像する。 髪が生えている頭の表面積はどれくらいだろう。20cm×20cm より大きいような気がするので、ざっと 500cm2 くらいだろうか。すると、1cm2 あたり、200 本になる。1mm2 あたり 2 本だ。それくらいの密度か。 さて、1日に 0.3mm くらい髪は伸びるらしい。つまり全体で、0.3×100000 = 3 万 mm = 30m だ。1日で 30m も伸びているのだ。1時間に 1.25m、1分で 2cm くらいの速度である。 1日に抜け代わる髪の本数が 100 本だとすると、1本の長さが 30cm の長さになったときに、髪の量が釣り合うことになる。それまでは、髪は増えている。 実際には、短い髪よりも長くなった髪の方が抜けやすいから、もう少し違った計算になるだろう。ちなみに髭は髪よりも伸びるのが速いらしいが、本数が少ない。 人間は一生でせいぜい 3 万日くらいしか生きられないのだから、毎日1本髪の毛を抜いていき、新しく生えてこなかったとしても、全部の 1/3 も抜けないのだ。 こんなことを考えてもしかたがない、と思われるかもしれないが、対象を把握し、状態を理解するためには、なんらかの計算が必要なことが多い、という例を示したかった。明らかに例が悪い。

via: MORI LOG ACADEMY: 髪の毛の計算