2006年09月19日(火曜日)


創作とは、常に死(社会的な死も含め)のリスクを必ず含んでいるのだ、と思う。 森先生が尊敬している井上昭雄さんという人を、私は一度だけお見かけしたことがある。その作品もいくつか見せていただいたことがある。おそろしいものだった。どういう機構で動いているのか素人の私にはもちろんさっぱりわからなかったが、発想が異様でしかもそれを美しいデザインで実現させるのにどのくらい冴えた頭と技術がないとだめなのか、誰が見てもわかるのである。いちばん効率よく動くようにしたら自ずとデザインも冴えたという合理性も感じられた。さらに作品からは透明でさわやかな、切れのいい風みたいなものがふわ〜、と吹いてくるのだ。人はどこまで行けるのか、なるべく雑音なくそれを行けるところまで極めたい、と私はかなり刺激を受けた。

via: MORI LOG ACADEMY: 特別講義2