2006年09月16日(土曜日)


頭の良さも、運動神経の良さも、どちらも、良いほど上達が早い。能力が高い場合ほど、さらに能力を高めることに対して高効率である。すると結果として、どうなるのか。つまり、どんどん差が開く。頭の良い子は、どんどん良くなるから、そうでない子は追いつけない。運動神経が良い子の方が、技をどんどん自分のものにできる。 こつこつと努力をしていれば、いつか報われる、という教えには、大した根拠がない。そういった実例もほとんどないように思う。ただ、こつこつとやっていないと、もっと絶望的な結果になる、というだけだ。 こつこつとやること自体が楽しい。これはときどきそう思う。ただ、こつこつと地道に続けることは、ある意味で、工夫を怠っている姿勢だし、自分はこれだけだと諦めてもいるし、慣れてくるから、結果的に楽になって、努力はだんだん少なくなる。ここが、こつこつの最大の欠点かもしれない。

常に新しいものを取り入れよう、という姿勢が大事だ。年齢を重ねると、それをしなくなる。そういう人が、「毎日こつこつと働いているのに」と言い訳していないだろうか。ことあるごとに、「あれは俺がやったんだ」と過去の業績を自慢するのも品がない。40 代、50 代の人は気をつけよう。給料をもらいすぎていないか、と自問した方がよろしい。 これは、誠実であれ、謙虚であれ、という忠告ではなく、自己と周辺の関係を見る目、その観察眼の衰えに対する警告であって、よけいな危険を回避するためである。 僕も歳をとって少しわかったが、年齢が上であるだけで、なにかをなした、若い奴らよりは偉い、そして、もうなにも恥ずかしくはない、と錯覚できる傾向にある。神経が鈍くなった証拠だ。結局は思考停止へ向かっている。それが危険だということ。

via: MORI LOG ACADEMY: 歳をとることの危険さ