2006年07月16日(日曜日)


2枚のコインがある。1枚は普通のコイン。もう1枚は偽物で、両面とも表になっているものだ。今、目を瞑って、この2枚のうちの一方を投げたとする。落ちたコインを見ると、表である。 「本ものか、偽物か、2つに1つ。確率は 1/2 だ。もし本ものならば、表の反対は裏。もし偽物ならば、ひっくり返しても表だ。さて、このコインの裏側がどちらか、賭けようじゃないか」と誘われる。あなたはどちらに賭ける? これは、有名な確率の問題で、答は、反対側が表(つまり偽物のコイン)になる方に賭けた方が圧倒的に有利。確率は 2/3 である。 表が出た時点で、そのコインが偽物である確率が2倍高い、ということに気づけば、不思議ではない。 子供が2人いる家を無作為に選ぶ。その家の子供の1人が女の子だとわかった。では、もう1人は男か女か、あなたはどちらに賭けるか? 男男、男女、女男、女女の4とおりが、ほぼ等しく存在する(数学的にはこれが前提条件)。1人が女だと判明したので、男男ではないことがわかった。すると、残り3つのケースのいずれかであり、この3つは等しい確率で存在するわけだから、もう1人は男である確率が 2/3、と考えがちである。しかし、これは間違い。 1人が女性だと判明した時点で、女女である確率が、男女や女男よりも2倍高い(姉と妹の2通りがあるため)。したがって、もう1人が男か女かは、やはり 1/2 の確率になる。 同じ確率で存在するグループの中から任意に選んでいるのに、既に選ばれた結果から、選んだグループがどれだったのかを考えると、その確率は均等ではなくなる。 1の袋には、赤1個、白 1000 個の玉が入っている。2の袋には赤 1001 個の玉が入っている。今、どちらかの袋を選び、玉を1つだけ取り出したら赤だった。さて、同じ袋からもう1つ取り出したら、どちらが出る確率が高い? 1の袋なら白、2の袋なら赤だ。しかし、確率は 1/2 ではない。取り出した玉が赤であった時点で、それが2の袋である確率が圧倒的に高いからである。

via: MORI LOG ACADEMY: コインの賭け