2006年06月14日(水曜日)
ものは言いようというか、統計は使いよう、である。 たとえば、「平均点に1点だけ足りなかった」「順位は、第2位でした」といっても、次のような場合がある。問題は1問で1点満点のテスト。クラス全員が正解したのに、1人だけできなくて0点だった。 平均点というのは、必ずしも、中間的な位置を示したものではない。たとえば、1人だけが 100 点で、ほかの全員が0点だった場合、クラスのほとんど全員が平均点以下となる。 また、最も多数が分布する領域を示しているわけでもない。クラスの半分が 40 点で、残り半分が 80 点であれば、平均点は 60 点になるが、誰も平均点付近の点を取っていないことになる。 平均のほかに、順位が中間の人の点数を取り上げることもある。また、合否を判定するような場合には、上位から人数を数えて、ある決まった順位の人の点数をボーダとして取り上げることもある。 順位が中間の人が、必ずしも平均点を取っていない例は多い。分布の曲線がどのような形状をしているかによる。 「一昨年も昨年も 0%の成長だったが、今年 60%成長できれば、平均毎年 20%の成長という目標を達成できる」のように、比率を平均する人がいるが、毎年 20%成長すれば、1.2×1.2×1.2 = 1.728 となるので、平均 20%の成長率を取り戻すためには、今年は一気に 73%成長しなければならない。逆にいえば、3年間で 73%成長したとき、73÷3 = 24.333 で1年で平均 24%成長した、とするのも誤解を生む。
via: MORI LOG ACADEMY: 平均