2006年06月10日(土曜日)


同じ大きさで見た目も同じ玉が 13 個ある。ただ、この中に1つだけ、重さが異なる玉がある。ほかの 12 個は同じ重さだ。さて、天秤を3回だけ使って、その違う重さの1つを発見する方法を考えよ。 この問題はよく知られているものだが、少々難しいので、玉の数が 12 個になっていたり、9 個になっているものをときどき見かける。14 個あると、3 回ではできない。 数学では、「幸運」というファクタが入り込まないので、このような問題で「3 回でできる」と表現されるのは、「どんなことがあっても確実に 3 回で発見できる」方法であることを示している。 たとえば、天秤の両側に 6 個ずつ玉をのせて、それが釣り合ったとすると、ただの1回で、天秤にのせなかった玉が重さ違いであると発見できるが、そういった幸運を期待してはいけない。 基本的なことを考えよう。玉が3個だったときは、どうするのか。とりあえず1つずつを天秤の両側にのせてみる。釣り合えば、のせなかった1つだとわかる(この時点で重いか軽いかはわからないが、正常なものと比べればそれも判明する)。釣り合わなかったときは、片方を取り替えれば良い。結局、2回で、異常な玉が見つかるし、それが重いか軽いかも判明する。 このような問題が成立する背景には、「異常な玉はただ1つである」という情報が得られているためだ。このようなことは実際にはちょっとありえない。しかも、現実には、どの玉も微妙に重さが違い、異常な玉だけが許容量を超えている、という場合が普通である。それでも、「天秤が 3 回だけしか使えない」という条件もまずありえないので、解決できないことはないだろう。

via: MORI LOG ACADEMY: 13 個の玉