2006年06月03日(土曜日)


ゲラ校正をするときに、「禁則」と何度も書くから、ゴム印でも作るか、なんて冗談をこのまえ書いた。今日、秘書氏が本当にシャチハタで作ってきた。縦書きのものと横書きのものと2つ。「ご注文の品です」なんて言っていたが、うーん、なにをかいわんやいわずもがなで言葉を失ってしまったガンダーラ。 秘書氏がオタクだと言うつもりは猛烈にはないが、オタクの傾向の1つとして、「自分にできることで最善を尽くす」というものがある。オタクの人は一般に、平均的な人よりも、正直であり素直であるため、自分にできないかもしれないことで、「私がお力になりましょうか」などという綺麗事をけっして口にしない。綺麗事が、明るい主人公と同じくらい嫌いなのだ。これは、本当に「誠実」である。自分に対して誠実だし、万が一理解されれば、相手に対しても誠実だ。こういった誠実コミュニケーションの奇跡を期待しているのかもしれない。 広い意味での効果が望めなくても、ピンポイントで誠実さが示されることを望んでいる。念のために書くが、オタクを揶揄しているのでもないし、また賛美しているのでもない。そういう傾向を指摘しているだけである。

それから、誰々がオタクかどうか、という議論はまったく無意味で、誰にもオタクな部分がある。そうでない部分もある。ようは、バランスの問題。それに、秘書氏は僕に対してはオタクで真っ向勝負に出るが、違う方面では普通を装っているかもしれない。 一般に、人はひと言で表現されるほど単純ではないし、また、日々刻々変化する。これは、「天才」でも同じだし、「馬鹿」でも同じだ。比較的顕著な傾向が、その人の人格を代表する稀な例はあるし、同じ場面で同じ傾向を繰り返して、信頼を得ること、また失うこともある。期待値が上がったり、下がったりするためである。

via: MORI LOG ACADEMY: オタクな美女に囲まれて