2006年05月29日(月曜日)


三角形の内角の和は 180 度である。この証明は、底辺に平行で、頂点を通る直線を引くとわかる。平行のときに錯角が等しい、という定理から導ける。 さて、どんな場合でも三角形の内角の和は 180 度か、というと、それは、三角形が平面上に存在する場合に限られる。いや、どんな三角形もある平面上に存在するはずなので、普通これは正しい。 ところが、こんな例がある。 北極点から、まっすぐに進む。どっちへ行っても方角は南になる。地球を1周すると 4 万 km だが、その4分の1,すなわち1万 km だけ真っ直ぐ進んだら、そこでストップ。ちょうど赤道上にいるだろう。 ここで左へ 90 度曲がって、また真っ直ぐに1万 km 進む。赤道上をどんどん東へ進むことになるだろう。1万 km の地点で止まり、また 90 度左へ曲がる。今度は北を向いているはずだ。そして、また1万 km 真っ直ぐに進む。すると、再び北極点に戻ってくる。 さて、最初の地点と最後の地点は同じで、途中で2回曲がった。あとは真っ直ぐだ。だから、辺は3つで、いずれも1万 km である。これは、地上にいる人には、巨大な正三角形として認識される。この巨大な正三角形の3つの角度はいずれも 90 度であり、内角の和は 270 度になる。 興味のある人は、非ユークリッド幾何学で検索されると良い。理系の人には常識だが。

via: MORI LOG ACADEMY: 三角形の内角の和