2006年04月11日(火曜日)
小学生に上がるまえから、工作が大好きだった。紙を切って、糊で貼り付ける。あるいは、空き箱を切って、くっつけてなにかを作る。最初に重要なことは、作り上げた「形」だった。次に、だんだん「機能」が重要度を増してきた。形だけではなく、なんらかの動作をするものを作るようになったためだ。しかし、「形」も「機能」の一部である。 そのうち、一度作ったものが気に入らなくて、もう一度作り直したり、あるいはとても気に入ったものができたから、似たものをシリーズで作ったりするようなる。そうなると、「形」や「機能」以外にも拘るものが出てくる。まず、「強度」あるいは「耐久性」である。頑丈に作ろう、という考えが目覚めた。同じ形、同じ機能でも、壊れにくい構造を考えるようになる。 さらには、もっと簡単に作れないか、作りやすい手順はないか、と考えるに至り、これは「生産性」あるいは「加工性」と呼ばれる概念だ。 小学生になると、家にある材料だけでは不足になる。作るもののレベルが上がったため、部品を買ってこなければならなくなった。ここで、より安く作るためにはどうすれば良いか、と考えるようになる。これが「経済性」である。 また、同じようなものを作っている他人を意識するようになり、ほかにはないものを作ろうと考える。これが最も難しい「オリジナリティ」つまり「個性」である。実は、一番最初に、それは既にあったはずなのだが、各種の要件を満たそうとするうちに失われかけていたのである。 すべての生産行為は、ほぼこのような要素で成り立っているし、このような順番で発展することが多い。