2006年04月10日(月曜日)


テレビや新聞というのは、マニアではない。ジェネラリストが集めた情報だ。したがって、テレビや新聞から得られる情報は、マニアがスルーした「残りかす」である。マニアが誰も買わないと、テレビや新聞で宣伝を始める。ときどき、一見マニアックそうな零戦や蒸気機関車の模型が登場するけれど、マニア的な価値はほとんどない(マニア的な価値がないものは、将来値打ちが上がることもない)。本当に価値がある品は、宣伝などするまえに、すべて売れてしまうのである。 ただし、ときどきなにかの事情で、お買い得なものが出ることはある。会社が倒産したとか、遺族が故人の収集品を売りに出したとか、である。でもこの場合も、本当に価値が高いものは、倒産する以前、亡くなる以前から有名であり、周りが目をつけているため、すぐに買い手がつく。したがって、一般へ流れていくものがあるとすれば、やはり残りかすだけだ。 そもそも、マニアは「安いから買う」ということはしない。欲しいものならばどれだけ出しても買いたい、その積極性こそが、マニアの証だからだ。 お気づきだと思うが、「マニア」という言葉を僕は良い意味に使っている。悪いニュアンスは一切ない。 中古の書籍を扱う店がある。そこで「安いから」といって、自分が一番読みたいものではない本を買って読む。100 円ショップで、ついつい安いからといろいろ手を出してしまう。オークションでも、安く買って、それで得をした気持ちになれる。そういう人はマニアではない。 安いからといって、そこそこのものばかり集めていると、身の回りがそこそこで囲まれ、その人の人生は死ぬまでそこそこのままだろう。悪くはない。そこそこが好きだという人もそこそこいる。

via: MORI LOG ACADEMY: マニアとは自ら求めるもの