2006年02月04日(土曜日)
現代ほど 10 進法が世界に広まったことは歴史的になかったと思う。 1ダースは 12 本だし、1日は 24 時間だし、1時間は 60 分だし、1周は 360 度だ。このように、12 で上のケタ(単位)になるのは、12 が、2 でも 3 でも 4 でも割り切れる便利な数字だからである。10 は、3 等分や、4 等分ができない不便でキリの悪い数字だったわけだが、人間の指の数が 5 本だったために、こんなにメジャになった。 電子レンジの残り時間などで、2.50 とあれば、これは、2 分 50 秒のことだ。しかし、数学で、2.50 分といえば、それは 2 分 30 秒のことである。このような小数点以下の表示で誤解を生みやすい。 そもそも、日本には 12 進法があまり馴染みがない。1 ヤードは 3 フィート、1 フィートは 12 インチだが、日本の場合、1 丈は 10 尺、1 尺は 10 寸である。不思議なことに、日本は古来 10 進法なのだ。 欧米では、クォータ、つまり 4 分の 1 という表現が、ハーフの次によく使われる。クオータは 0.25 のことであるが、これは 10 進法だからそうなるだけで、3 カ月のことだったり、3 インチのことだったり、15 分だったりする。日本に馴染みがないのは、2500 円札や 25 円玉がないことでわかる。