2006年01月18日(水曜日)
1/6 に、「あげるともらう」について書いた。そのとき、「してやる」に対する受け身の言葉がない、と書いたが、その後、自分で思いついた(メールや掲示板では指摘はなかった)。「してくれる」という言葉があった。すっかり忘れていた。 「してやる」あるいは「してあげる」は、「彼に渡してやる」「彼に渡してあげる」のように、対象となる相手を「に」で受ける。一方、「彼に渡してくれる」と「彼に渡してもらう」となると、いずれも誰かほかの人が、彼に渡すことを意味しているが、後者だけは、渡す行為をするのが彼であるという意味にもとれる。不思議だ。たとえば、「先生が彼に渡してくれる」と「先生が彼に渡してもらう」は明らかに示す現象が異なっているのである。 さて、そんなことよりも、子供に「そのお菓子どうしたの?」と尋ねると、「くれた」と言う子と、「もらった」という子がいる。「くれた」は他人が主語であり、「もらった」は自分が主語である。やはり、ちょっと違う言葉か。 命令形にしたときも、「くれ」というのと、「もらえ」というのは、意味がまったく違う。ものがどこからどこへ渡るのかが違う。 「くれない?」と「もらえない?」は、結果としては同じ意味だが、前者は非常に下品で拙く感じられるのも、やはり主語が自分ではないからだろうか。