2005年10月31日(月曜日)


【算数】 単位再び

10/22 に書いた内容の続き。人が整列しているときに人 2 にならないのは、何故か、という問題提起をした。50 通ほどメールをいただいたが、どれもあまり説得力がある解答ではなかったので、もう一度取り上げたい。 「生きているものなので」といった文系的な解答や、なかには、「解答があるのですか?」といった疑問もあった。解答はもちろんある。そんな曖昧なものではない。 前から見て、5人が横に並んでいる。横に回って見ると、10 人が並んで整列している。これで、5 ×10 = 50 という計算をする。これは 50 人いるだろう、という推論だ。どうして推論かというと、5人の後ろにすべて 10 人いるだろう、という仮定をしている。本当にそうなのか、ということを調べるためには、上空から見なければならない。これはこの世が3次元だからだ。 前から見たら1人だった。横に回って見ても1人だった。上から見ても1人だった。ここで、初めて1人の存在が確定できる。 しかし、今回は面積と同じように人数を数えている。したがって行と列だけに限って、つまり2次元で話をしよう。前から見て1人、横から見ても1人。だから1 × 1=1で1人の存在が確認できる。 では、前から見たら5人だったが、横に回ってみたら0人だった、という場合はどうか。 人間ではなく、ぺしゃんこの板に描かれた人間の絵か写真が5つ並んでいたのである。この場合、5 × 0=0で、人間が1人もいないという計算になる。 つまり、このような数え方をしているとき、1人、あるいは1個というのは、既に2乗になったうえでの単位と考えることができ、前から見たときに「1人いるらしい」という認識の単位は、「人の2乗根(ルート人)」つまり、「人 1/2」という単位でしかない。 面積を把握しようとしているとき、長さを測っているのと同じである。矛盾はない。

via: MORI LOG ACADEMY: 2005 年 10 月 アーカイブ